梅雨時の晴れ間に、木津川市のあじさいで有名な岩船寺から浄瑠璃寺、般若寺ヘ行ってきました。
車で三つのお寺を巡ったのですが、以前にバスで行ったのと合わせてアクセスなどご紹介したいと思います。
【雨上がりが特に美しい!あじさいの寺 関西花の寺第十五番 岩船寺】
岩船寺は次に紹介する浄瑠璃寺と成り立ちや、歴史的な意義も含め関連が深いお寺です。
ぜひとも1日で、共に訪れて欲しいところです。
どちらも「京都府木津川市」にありますが、「観光地=京都」のイメージとは、趣が違います。
まず京都とはいえ、金閣寺や清水寺などがある京都市内からは、電車や車でも1時間近く南にあること。
世界遺産で知られる宇治市の「平等院鳳凰堂」から、さらに南、奈良市に近いところの山奥に位置しています。
以前、私が岩船寺と浄瑠璃寺に訪れた時は、JR奈良駅からの路線バスでのアクセスした。
岩船寺はJR奈良駅始発。近鉄奈良駅経由の路線バスで約30分。「岩船寺口バス停」から30分ほど歩きます。
また4月・5月・11月の土日祝日限定ですが、「お茶の京都 木津川古寺巡礼線」がJR奈良駅始発、近鉄奈良駅経由で運行されています。
こちらのバスだと、浄瑠璃寺も経由して、岩船寺のすぐ近くまで行きます。
ちなみにJR奈良駅から京都市内方面に向かって各駅停車なら2つ目の駅「JR加茂駅」からもバスのアクセスがあります。このバスも、岩船寺のすぐ近くまで行きますので、こちらのほうが良いかもしれませんね。JR大阪駅からも「大和路快速・JR加茂行」が出ていますからアクセスもいいようですし。
岩船寺の拝観料は大人500円ほかです。
仏様へのお供えに使われることから、お寺とあじさいは切っても切れない関係にあります。
岩船寺のあじさいは、日本古来の品種「がくあじさい」はもちろん「西洋あじさい」がメインです。
特におすすめは、岩船寺でしか見られない「幻のあじさい」と言われた「しちだんか」という品種です。
なぜ「幻の」と言われるのでしょうか?
それは江戸時代にドイツ人医師のシーボルトが「日本植物誌」で「しちだんか」を紹介しているにもかかわらず、実際にその存在が確かめられたのは、300年以上たった1959(昭和34)年のことだったからだそうです。
兵庫県神戸市の六甲山麓で、偶然に発見されたようです。
しかしこの「しちだんか」は、私たちが普段「あじさい」と聞いてイメージする、あのボリュームある花(実際に私たちが普段見ているのは花ではなく、がくですが)とはまったく違うのです。
可憐な花が、ぽつぽつとひっそり咲いているのです。
興味のある方は、インスタグラムやフェイスブックなどで、たくさんの写真がアップされているので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
【金閣寺にそっくり? 浄瑠璃寺には絶対足を運ぼう】
浄瑠璃寺は岩船寺から歩いていくこともできます。ただ浄瑠璃寺から行くと上り坂になるので、歩いていくなら岩船寺から浄瑠璃寺という順序がいいです。
浄瑠璃寺単独、または浄瑠璃寺から行くときは岩船寺と同様JR奈良駅始発、近鉄奈良駅経由の路線バスで、終点の「浄瑠璃寺バス停」で下車して30分ほど歩きます。
こちらも、JR加茂駅まで行くとコミュニティバスが、すぐ前まで行ってくれます。
岩船寺とセットで行く場合は、コミュニティバスか、「お茶の京都 木津川古寺巡礼線」がおすすめです。
ただバス利用だと、二つのお寺の間に見られる「当尾(とうお)の石仏」と言われる、京都府指定の「当尾摩崖仏(まがいぶつ)文化財環境保全地区」を見ることができません。
「摩崖仏」とは、自然の岩に直接仏像を彫ったもので、中国・敦煌の石仏が有名です。
あそこまで大きくないですが、なぜ二つのお寺の関係が深いのか、奈良(南都)の仏教界と深いかかわりを持っていたのか、なぜこの場所にお寺絵が建立されたのかが分かる気がします。
浄瑠璃寺の拝観料は中学生以上400円などです。
実際に浄瑠璃寺に行きましたがが、「金閣寺にそっくり」かと言われると、正直言ってちょっと疑問です。
建立された時代も違いますし、何より浄瑠璃寺は金箔が施されていません。
宗派も違います。山門を歩き閉塞感が続くなか、いきなり池に建物が表れたときの解放感は、金閣寺も浄瑠璃寺も同じ感じでしょう。
もう少し両寺の共通点を探ってみると、それは池と建物で「極楽浄土」を表現したかったという点です。浄瑠璃寺は池を挟んで東の三重塔には「薬師如来」を、西の本堂(2023年まで修復中)には「九体阿弥陀に如来」を安置しています。
金閣寺は、足利義満が自身の権威を示すための邸宅として建てられ、内外の賓客をもてなす外交と政治の場に使われたようです。
その反面、義満がどんなに権力を掌握しても、そこから逃れられない「死」への恐怖があったのではないでしょうか。
それは南都といわれた、奈良の都から離れてたところで、自らの限界と対峙しながら修行を続けた僧侶たちが追い求めたものが「極楽浄土」であったのかもしれないと、訪れた私たちは感じることができます。
【インスタグラムで人気の撮影スポット!コスモスの咲く寺 般若寺】
般若寺はJR奈良駅、もしくは近鉄奈良駅から路線バス(奈良交通バス)で約10分です。
「般若寺バス停」から歩いて5分のところにあります。
奈良市内からたった10分ほどですが、よく知られた観光エリアとは雰囲気はまったく異なり、とても閑静な場所でした。
私が訪れたのは、あじさいの季節でしたが、ここは、あじさいと共に、いえ、それ以上にコスモスが出迎えてくれます。
一面のコスモスが咲き乱れるその奥に、お寺があるという構図でした。さながらコスモスの向こうに「極楽」があるようなイメージでした。
特に秋のコスモスは、有名で、境内には15万本30種類のコスモスが咲き乱れます。
また、近年ではインスタグラムの撮影スポットとして有名になっています。
副住職が「お寺の知名度アップ」のため、アジサイをグラスキューブ(四角のガラス容器)に入れて、花手水として境内に置いた写真をフェイスブックにアップされたようです。
するとそれを見た人がきっかけで、瞬く間に拡散し、その写真を撮りたい、インスタグラムにアップしたいという人たちが、お寺を訪れるようになったそうです。
コスモスも同様にグラスキューブに入れて飾られていましたが、今年は11月3日で終了してしまいました。
コスモスのグラスキューブの様子は、お寺のホームページのフェイスブックからまた見られますので、一度チェックしてみてください。
なお「コスモスお守り」は季節問わず買うことができます。「コスモスの花言葉のように、素直な心をはぐくみ、運気を上昇させてくれる」とのことです。こちらも注目です。
【私がオススメする寄り道したいお店】
今回は、午前中に木津川市の岩船寺と浄瑠璃寺に行き、午後は奈良の般若寺に向かうという行程でした。
お昼は木津川にある人気のラーメン屋「無鉄砲総本店」さんで頂きました。
さすが人気店、オープン15分ほど前に並んで、40分ほど待って入店。濃厚豚骨ラーメンです。
その無鉄砲総本店さんからすぐのところにあるパン屋さん、regal+e(レガル)さんもおすすめです。
モチモチふわふわの生地は、香りも良く、どれも美味しいです。
また、是非とも寄って頂きたいのが、特別牛乳を生産している「クローバー牧場」さんです。
この特別牛乳、日本で4か所の牧場でしか生産できない、まさに特別な牛乳なので一度、味わってみて下さい。
余談ですが、ここのピスタチオのアイスクリーム、今まで食べたピスタチオアイスの中で一番美味しかった。
木津川のこの辺りは、目的がないとなかなか来ることがない所なので、訪れた際は、ぜひ寄ってみて欲しいですね。
今回私は、紫陽花撮影と関西花の寺二十五ヶ所巡りを兼ねて回りましたが、 般若寺は、奈良市内から近いので、奈良市の観光地から足を延ばして般若寺に訪れるという行程もいいと思います。